にせよん(新)

4コマ漫画の購入記録、時々感想。

ねこにゆーり

ねこにゆーり (1) (まんがタイムKRコミックス)

ねこにゆーり (1) (まんがタイムKRコミックス)

孤独が好きで猫と幼なじみにだけ心を開く(最初のうちは)ゆーり。
この手の重い設定、ストーリー開始早々にやたらと力込めて語られるのも閉口しますが、今作の場合は逆にその辺の事情があまりにもハッキリしなさすぎて、彼女の行動に「なんでそうなるの?」と戸惑ってしまうことが多いです。
書き下ろしの巻頭&巻末でもまだ全然足りないというか……却って「つまり彼女に何があったんだよー!」と叫びたい衝動。
とりあえずそれならそれそれ、と気になることから目を背け、まずはいんらんピンクことももてんてーに萌える。


あと、あさひちゃん報われなさすぎじゃないですかね。
というか、当初このコがメインヒロインだと思っていたから、なおさらゆーり(ってタイトルロールが主役だろう常考)の行動や、あっちゃんが彼女に惚れていることに不可解なものを抱いていたことを、読み切り時代の作品から見直して改めて思い出した。
いきなりこの辺の恋愛感情が公然のものになるってのは、ちょっと珍しいパターンですが。


そして役割的に周囲を煽ったりネタふり役に専念するあまり、本人キャラ立ちが薄くなってしまいがちなポジションのセラにも、きちんと一回いい具合のメインの回があったのが「ほほぅ」と感心した次第。


そのセラのエピソードの回、自分としてはかなり神がかっているんじゃないかと思われます。
この回とその前の回では、一つのエピソードをマルチアングル的に「あっちゃん視点」と「セラ視点」で取り上げているが、ここでも一つ「ほほぅ」となるのが、同じシーンにおいて台詞とか描かれている情景が同じじゃ「ない」という点。
考えてみれば、自分以外の人物がその時発していた台詞なんて、そんなに厳密に覚えていないのが普通。
ありがちに考えれば、同じシーンなら同じ情景で同じ台詞を発するのが当然という考えを見事に覆したこの発想。
更に更に、この2つのエピソードが単に第x回とx+1回ではなく、本編と姉妹誌に描いたゲスト原稿だというから「どこまで計算されているんだっ」てなもんです。単純に発売日が近いことでパラレル感を味わいつつ、ある意味ゲストの回を目にすることができなくてもそれはそれで話がなりたっている……ゲスト作品の方で初めましてな方のことはとりあえずおいといてw


ふー、最初は気のないそぶりをしつつ、気がつけば随分語らされてしまった。つまりはすげー気に入ってるってことなんだろな。