にせよん(新)

4コマ漫画の購入記録、時々感想。

ちーちゃんはちょっと足りない ブラックギャラクシー6

あ、一応ネタバレというか内容のこと書きます念のため。

いやあ……やはり今回もすげえ一作だった。
まさかちーちゃんが、タイトルロールであり当然主役だと思っていたちーちゃんが結果的に単なる狂言回しで、逆にそちらの役割だと思っていたナツちゃんがメインとなるストーリーだったなんて!

しかもお話的には何の救いもない、というかメインの山場における事件もナツちゃんに関することもとくに解決しないまま静かに終わっていくんだよな。確かに現実社会では「fin」はなく人生は続くものだけど、物語のなかでそれをやってしまうとは……。

こういう突然の視点の変更が行われる作品って、確か『空が灰色だから』にもあったような気がするけど、考えてしまうのはこういうどんでん返しのような仕掛けは果たして計算づくでやっているのか、もしくは多動性障害的な何かに基づく計算ではない、つまり作者の「天然」によって意図せずして起こっているのか、というところなんだけど……まあなんぼなんでも計算だよな。でもチラリとでも「まさか?」と思わせる狂気を感じさせるのがこの方の凄みなのだと思う。
きっと全て掌の上で転がされているだけなのだろう、それはそれでまた畏怖の対象ではあるけれど。

今回も恐ろしくて素晴らしい作品でした。でもまだ怖くて飛ばし飛ばし読んでしまうの。

変わってこちらは(相対的に)ハッピーでとある方が使っていた「ライトサイド」が満載の青春。
こちらも読んでいると登場人物の役割が少しずつドリフトしていく感じがあるのだが、やはりこれはこの方の「やり方」ということなんだろうなあ。結局主人公はギドラなのかカレルナなのか?
ていうか考えてみたらギドラだけ本名出てない……その辺がまた阿部風味(ありがちなまとめ)。