チェルシー

チェルシー (2) (まんがタイムKRコミックス)

最終巻その１。
上述のとおり、どうしても買っておきたかった。具体的には近所の本屋で１巻とセットで平積みになっているうちに。

やっぱ大好き、この作品。

雑誌連載時のコメントにも書いてましたが、始めは「『目指せ！お笑い芸人』をネタに、学校生活の中でドタバタしたりまったりしたり」程度のよくあるスクールモノだと思って、それなりに上から目線でいたんですよ（「チューした！」とか、それでもところどころ「お？」と思わせるものは既にありましたが）。絵も嫌いじゃないものの、すごく萌えるかといえばそうでもなかったし。

それがビックリ、まさかの青春お笑い道。

主人公のユキちゃんは、初めはその手のスクールガールズな四コマらしく、突拍子も無い発想と行動で周囲を巻き込み＆振り回すだけの役割かと思いきや、チェルシーのリーダーとして、ちゃんと目標に挑戦して、悩んで成長した。もはやコレ少年誌の方が似合うんじゃないの？ｗってぐらい、しっかり主人公してました。
他にもライバルとの切磋琢磨あり、デパ屋での飛び入り活躍あり、果てはオーディションに挑戦＆ハプニングと……結構駆け足だったのは否めませんが、それ故のキレのよいショートコントを見るようなテンポの良さがあった……いや、これはさすがにレトリックが過ぎる（笑）

四人全員のキャラがしっかり描かれたか……といえば、それはさすがになにもかもが満足、という訳ではありませんでした（各家庭の様子、もう少し見たかったですね、とくにユキのお姉ちゃんとか）が、それでもしっかり各キャラの個性も立ち（ファン投票とかしたら、いい具合に全員にまとまったファン票付きそう）「物足りないくらいがちょうどいい」の量はギリギリあったと思うのです。

繰り返しになりますが、やはりお笑いに本当に挑戦するところを描いているのが、本当に気持ちいい。
しかも単行本書き下ろしを始めとする、四人の普段の学生生活のエピソードも、これはこれでもっと読みたい！と思わせる見事なボケ＆ツッコミのやりとり。これがとても丁寧に構成されている。つーかマジで修学旅行編読みてー！！

ゆるゆる・まったりクソ喰らえ！かといってハイテンションでごまかした勢い任せでもなく、とにかく「丁寧」。←一言で強引にまとめるなら、この言葉を選びたい。

しっかり読めて、きっちり面白い。
よくある表現だけど、当たり前を求めるのが、実は一番難しい。だからこそ、その願いが叶った時の喜びは格別。
改めて、この作品に出会えたことに感謝します。
まだまだKRも捨てたもんじゃないなぁｗ