にせよん(新)

4コマ漫画の購入記録、時々感想。

不完全な人の為に

最終巻。お疲れ様でした。

しかしタイスペの『難関女子の恋愛参考書』なんかでもそうだけど、短命で終わってしまうといわゆる「主人公に淡い想いを寄せていた幼なじみ」のコの噛ませというか当て馬としての報われなさがめっちゃくちゃ浮き彫りになってしまうの辛いね……ガンバレ月見里ちゃんにリコちゃん(といっても挽回の機会はもうない……)。結果的に「不完全」という言葉が作品そのものを(多分に意図せずして)表すことになってしまったのはちと残念。

それはさておき、ツイッターで軽く検索してみたけど、既に連載は終了して完結巻も発売されたこの状況で、それでもなおこの作品に言及する人達が皆先輩の名前を出さずにただ「先輩」とだけ書くの、我等思いは一つ感あるし全員信頼できるって思った。

しかもネタバレというか、その事自体は別に作中で最大の謎とかとんでもない伏線で絶対バラしちゃダメ! というレベルのことではないのに「あそこまで先輩の名を出さなかったのは『名前を知る/呼ぶ』ということがそれだけ大切なイベントなのだろう」という共有が、とくに明示されぬまま、読んだ人たちの間でなんとなくできている感じがすごく良いと思うのですよ、あと名前自体がすごく素敵。声に出して読みたい日本語(でも言えないというこの苦しみw)。

ともあれこの作品に出会えて良かった、としみじみ思わせてくれる良作でした。
特典はなくとも複数買いしよう。